2006年ゲームプレイ記録まとめ(その2)

The Elder Scrolls IV: Oblivion』(PC) プレイ期間:3ヶ月〜継続中(200時間〜)

今年のハイデフ大本命。

プレイし始めてすっかりHDRレンダリングの虜になってしまった。静止画では伝えきれない、ダイナミックな光あふれる世界。美しくて、もう…。

グラフィックはもちろんだけど、個人的嗜好としては洋ゲーっぽいスタンダードな洋RPGをやりたいという気持ちが高かったのでそれが非常にマッチした。いわゆるSTR、INT、AGI、LUK…といったステータスのアレ。「こうげきりょく」もいいもんだけど、STRENGTH、STRを高めて振るいたい、という欲求は、なんというかステーキ食いたい、ハンバーガー食いたい!とでもいうか。なんだろな。

しかしOblivionは従来的なRPGアドベンチャーといったプレイよりも、Simsのような環境いじりゲームとしての側面が強くて、いまだほとんどまっとうに進めてない。いや、環境を作る、整えるということ自体がRPG的なものかもしれないけど、いじってるだけで楽しいという気持ちは強い。

CS

具体的にはCS(Construction Set)でMOD(プラグイン)を作ってばかりだった。

たとえば、ゲーム開始地点の帝都インペリアルシティは、整然とした円形の区画に分かれているのだけれど、しかしこれが街として秩序が高すぎる分、魅力に乏しく面白くない。特に夜なんかはすっかりひと気が無くて、整然とした町並みがガランとしてるのはあんまり好きじゃなかった。

というわけで、「夜中に帰ってきたときに、ほっと心の温まる、かがり火のような屋台があのへんにあったらなあ…」なんて気持ちを抱いたならば、そのくらいは勝手に自分で整えられるのがMOD作業の良いところで、そういう屋台店を作ってみたりもした。


まあどう見てもプレイヤー含めてたちの悪い浮浪者が集まってる感じだけど、こうしたちょっとしたことでゲーム世界をぐっと自分の好きな形に引き寄せられるのは嬉しいし、RPGという行為はたぶんそうした満足が強いんだろう。The Elder Scrollsが提供してくれる遊びの土台は、他では得られないものだった。

あと、今は初代Wizardryのダンジョン、Proving Grounds of the Mad Overlord(狂王の試練場)なんかも作ろうとしてる。



「3DゲームでWiz」ってどこか夢のように望み続けてる気持ちがあって、昨今はそういう期待のゲームも出そうだったり出なかったりしたけれど、このOblivionならようやく届きそうな気はする。作ろうという気持ちの上で特に心に残ってるのは『Wizardry純情派』の記述で、たしか6人パーティが戦う空間として「一マスが60m四方」という具体的な描写はなるほどと思わされたし、一人称視点でのダンジョンがどうあるべきかが見えた気がした。あのへんをぜひ再現してみたいところだ。ただ、Wizのダンジョンとして独特なループ構造やワープ、回転床あたりがめんどくさそうだけど、Oblivionスクリプトも豊かなので座標チェックしてうまく運べばそれなりになんとかなるかもしれない。


PCとコンソール機では、単に性能やインターフェースということでは到底比較できない大きな違いがあって、こうしたMOD感覚を当たり前のものと捉えてしまっていると、正直なところコンソール機に触れることが無かった。

MOD疲れ

で、しかしまあそんなことばっかりやっていたら全然ゲームなんてできてなくて、えんえんとデバッグ・調整作業に時間をとられてしまうのはいささか問題だと思い始めてしまった。対価が得られる仕事ではない、というのはもちろん自己満足だからという割り切りがあるわけだけれど、自己満足のために時間を費やしすぎるのはどうも社会的に不健全なめぐりだということを意識させられた。

それと、そもそも遊ぶために作る、と言われるわけだけど、いささか作るほうに比率が寄り過ぎた。前項はじめの「プレイヤー自身の負担責任論」のあやういところはそうしたところで、概ねの目的である遊ぶ・享受するということからはうっかり逸脱しやすい。また、作ることが遊びとは十分言えるけど、どうもそういう意識が高まりすぎたきらいもある。それから、主題は遊びでなければならないか、ということでもあるわけでそうした目的の見直しというところではシリアスゲームといった言説に繋がっていくんだろう。

この感覚こそが2006年ゲームで抱いた一番のトピックで、たぶん自分にとって今後の転換点になっていきそうな感じがする。いや、まあゲームどうのという以前の、自分自身の扱い調整意識というところだけど。ゲーム側から各プレイヤーへそうした意識調整まで働きかけるかどうかについてまで考えが及んでしまう。

Company of Heroes』(PC) プレイ期間:2ヶ月〜(50時間〜)

http://d.hatena.ne.jp/miyaoka/20061028/1162037406

今年のRTS大本命。

か、どうかは分からない。RTS苦手なので。

でもRTSが苦手でも思わず手を伸ばしてしまう魅力に溢れた作品だった。MGは歩兵を圧倒し、装甲車はMGを圧倒し、戦車は装甲車を圧倒する。ヨーロッパの美しい街並みがそうした戦いによって焼け落ちていく様は非常にカタルシスのあるものだった。プレイ自体が苦手でも、リプレイファイルを拾ってきて眺めてるだけで面白い。

インディーズ系

インディーズ、ということでまとめてしまったけど、やはりメジャータイトルとは違って、作られ方や、期待される遊ばれ方が独特だった。いわゆる同人ゲー、というものとは言葉的にまたちょっと区別したい感じ。同人が商業予備軍、商業狙いますよ的な感覚なのに対して、インディーズはあくまでメジャーシーンに対するカウンター、という立ち位置ありきということかなあ。