『くもりクエスト』プレイ雑感
- ステッパーズ・ストップ - 2006/08/12
- ヒマこいてるんであそびましょう。
- きみのおなかがいたい……
- イデアつむぎ
- 出来事が、起こったよ。
- うっだら。
- もっこす。
- ドカーン。
- へっくし!
- わーあたるー!
- ボーン!
- きみは9999点のダメージを受けたよ。
- ボスの場所だよ。
- ヴァシュワアア…!
- おおお、盛り上がってきた!
- すごく…
- すごいの!!
- おそろしいことをした!
- そーくしっ!
- おしまい!
- うそばっか
- 自分のせいで苦しんでる人がいたよ。
- しってる。
- ……ほいで、
- はーずれ。
- きみはそのことに鍵をかけて… 胸の中にそっとしまったよ。
- おまけしてあげる。
- ぎりぎり生きてた。
- なかよしテスト、やる?
- ふざけるな。かえれ。
ああ面白かった。
またこうして好きなゲームがひとつ増えたことが嬉しいな。
なにがどうとかいろいろ書きたい気もするけど、いろいろ野暮な感じもするので、てきとうに投げやりに留めとこう。(とか言いつついろいろ書いてしまった)
- 完結度で言ったら『雪道』だろうけど、好みとしてはこっちかな。
- 上に列挙したけど毎度さすがのテキスト進行。コンピュータゲームはプログラム、システムが大きくプレイを制御するけど、特に今回はさらにその上でテキストワークがルールを導いていく感じ。手触りのある作り。
- 『弟切草』を初めてプレイしたときの得体の知れなさというか。フローのゆらぎがエキサイティングに秀逸。『かまいたちの夜』のように最初からミステリやりますよと言うのとは違う、改めてあのへんの感覚?
- それでいて情報提示は手抜かり無く適切で丁寧。まあゼロから理解できるか分かんないけど、こちら側のリテラシーにとっては心地良い具合。(対峙するのが生身のルールでなくキャラクターの形をしているから、自主的に理解しよう(ゲームマスターに沿って理解を作り上げよう)と働きかける気持ちが強いのかも?)
- ノベルゲーム的に見たら昔のleafとかのそのへんのノリや勢いでアレするような? おまけルートというか。それでこそというか。
- 点数稼ぎ的には5000点くらいまでうだうだぐだぐだしてみたりした。
- クリアすらもスポイルしちゃってステキ。辿り着いたのは、おやすみ前のひととき。それだ。
- 「ヒマこいてるんであそびましょう。」→プレイヤーがあそばれる(あそんであげる)ゲーム、という体験感覚か。きっとなによりそこが良かったのかな。
- 「おおお、盛り上がってきた!」というくだりにもやられた。ストーリーテラーとしての状況提示なのかプレイヤーとしての感想なのかが曖昧で、どうにも可笑しい。盛り上がってくれて良かった。
そのへんのある意味プレイヤーの主従逆転感覚は↓のあたりも近いかなあ。
- みやお課 - 'Heh-heh, heh-heh, killing people is cool.'
彼らは侵略されている側でありながら、その強大な勢力をもって逆にプレイヤーを脅かし、いとも簡単に返り討ちにしてくれる。
プレイヤーがゲームに対して普遍的に持っているプレイ感、「制圧しよう、やっつけよう」という気持ちをそのまま反映して、やられるつもりではなく、打ちのめしにかかってくる。雑魚キャラを何十体も従えているのは伊達じゃない。全力で襲ってくる。「シャグラトは、あなたが何点の経験値になるか考えている。」
『変愚蛮怒』もテキストワークが冴えるゲームだなあ。
変愚蛮怒も『テトリス』もガスガスと効率的にオブジェクトを削る行為であることには(あまり)変わらないと思うけど、実際のプレイとしてずいぶんルールが違う。たとえば増殖し続けるテトリスブロック自身に「プレイヤーに対する悪意」が見てとれたりすると変わりそう。そのへんの制御がテキストで成されるという話かなあ。どうだろう。
テキストとなるとどうしてもノベルゲーム→シナリオというように意識が進みがちだけど、あまりそちらのほうで考えるとこうしたゲーム的妙味が薄れてしまうのかな。いきなりシナリオでは束縛が強すぎる。プレイヤーと協議するテキスト、ルールを記述するテキストというレベルの可能性。