『くもりクエスト』プレイ雑感

  • ヒマこいてるんであそびましょう。
  • きみのおなかがいたい……
  • イデアつむぎ
  • 出来事が、起こったよ。
  • うっだら。
  • もっこす
  • ドカーン。
  • へっくし!
  • わーあたるー!
  • ボーン!
  • きみは9999点のダメージを受けたよ。
  • ボスの場所だよ。
  • ヴァシュワアア…!
  • おおお、盛り上がってきた!
  • すごく…
  • すごいの!!
  • おそろしいことをした!
  • そーくしっ!
  • おしまい!
  • うそばっか
  • 自分のせいで苦しんでる人がいたよ。
  • しってる。
  • ……ほいで、
  • はーずれ。
  • きみはそのことに鍵をかけて… 胸の中にそっとしまったよ。
  • おまけしてあげる。
  • ぎりぎり生きてた。
  • なかよしテスト、やる?
  • ふざけるな。かえれ。


ああ面白かった。
またこうして好きなゲームがひとつ増えたことが嬉しいな。
なにがどうとかいろいろ書きたい気もするけど、いろいろ野暮な感じもするので、てきとうに投げやりに留めとこう。(とか言いつついろいろ書いてしまった)

  • 完結度で言ったら『雪道』だろうけど、好みとしてはこっちかな。
  • 上に列挙したけど毎度さすがのテキスト進行。コンピュータゲームはプログラム、システムが大きくプレイを制御するけど、特に今回はさらにその上でテキストワークがルールを導いていく感じ。手触りのある作り。
  • 弟切草』を初めてプレイしたときの得体の知れなさというか。フローのゆらぎがエキサイティングに秀逸。『かまいたちの夜』のように最初からミステリやりますよと言うのとは違う、改めてあのへんの感覚?
  • それでいて情報提示は手抜かり無く適切で丁寧。まあゼロから理解できるか分かんないけど、こちら側のリテラシーにとっては心地良い具合。(対峙するのが生身のルールでなくキャラクターの形をしているから、自主的に理解しよう(ゲームマスターに沿って理解を作り上げよう)と働きかける気持ちが強いのかも?)
  • ノベルゲーム的に見たら昔のleafとかのそのへんのノリや勢いでアレするような? おまけルートというか。それでこそというか。
  • 点数稼ぎ的には5000点くらいまでうだうだぐだぐだしてみたりした。
  • クリアすらもスポイルしちゃってステキ。辿り着いたのは、おやすみ前のひととき。それだ。
  • 「ヒマこいてるんであそびましょう。」→プレイヤーがあそばれる(あそんであげる)ゲーム、という体験感覚か。きっとなによりそこが良かったのかな。
    • 「おおお、盛り上がってきた!」というくだりにもやられた。ストーリーテラーとしての状況提示なのかプレイヤーとしての感想なのかが曖昧で、どうにも可笑しい。盛り上がってくれて良かった。


そのへんのある意味プレイヤーの主従逆転感覚は↓のあたりも近いかなあ。

彼らは侵略されている側でありながら、その強大な勢力をもって逆にプレイヤーを脅かし、いとも簡単に返り討ちにしてくれる。

プレイヤーがゲームに対して普遍的に持っているプレイ感、「制圧しよう、やっつけよう」という気持ちをそのまま反映して、やられるつもりではなく、打ちのめしにかかってくる。雑魚キャラを何十体も従えているのは伊達じゃない。全力で襲ってくる。「シャグラトは、あなたが何点の経験値になるか考えている。」

変愚蛮怒』もテキストワークが冴えるゲームだなあ。

変愚蛮怒も『テトリス』もガスガスと効率的にオブジェクトを削る行為であることには(あまり)変わらないと思うけど、実際のプレイとしてずいぶんルールが違う。たとえば増殖し続けるテトリスブロック自身に「プレイヤーに対する悪意」が見てとれたりすると変わりそう。そのへんの制御がテキストで成されるという話かなあ。どうだろう。

テキストとなるとどうしてもノベルゲーム→シナリオというように意識が進みがちだけど、あまりそちらのほうで考えるとこうしたゲーム的妙味が薄れてしまうのかな。いきなりシナリオでは束縛が強すぎる。プレイヤーと協議するテキスト、ルールを記述するテキストというレベルの可能性。