『スターフォックス』(SFC版) - Out of This Dimension

以前Sくんがスターフォックス64をプレイしてたときのこと。話してたら「SFC版の異次元ステージを知らない」と言うので、それはケシカラン!と思って説明しようとWebを漁ったのだけれどあんまり資料が出てこなくて結局自分でキャプチャした。

…ということを最近になって思い出したので改めてまとめてみた。

Asteroid Beltで幻のポケモン爆誕



下ルートのアステロイド面。



ここの普通は壊れない灰色隕石を打ち続けると…


爆発して中から卵が飛び出る。


卵は即座に孵って宇宙鳥が誕生。



鳥が自機に迫ってきてワープ。

Out of This Dimensionへ


画面中央下部、名も無き地帯へ飛ばされる。


通信が途絶して司令部の叫びが一方的に語られる。

折り紙ヒコーキ部隊


シュールな音楽、シュールな背景、シュールな敵。
ポリゴンの紙が折りたたまれて紙ヒコーキになって襲ってくる。

ステージボス:スロットマシーン



折り紙地帯を抜けたらボスキャラのスロットマシーン。
レバーにショットを当ててスロット開始。


出目によってコインが出たり、ミサイルを見舞われたり…。



最終的に777が揃えばコインをありったけ吐き出して爆発。クリア。

エンドクレジット



背景の歪みが止まって、スタッフロール。

THE END




最後に辿り着いたのはTHE ENDの文字。
ショットを当てると跳ね飛んで、返ってきたときに向きが変わる仕組み。



一字ずつ修正を加えて、全部揃えると…


サウンドが鳴って分裂。
クリアです、おめでとう!と思いきや、また向きがランダムに変わってやり直し。
以降、永久ループ。



ミサイルなどが飛んでくる中、徐々に体力が減り、気力も減り、やがて死んでしまう。
残機が残っていてもまたこのステージ冒頭からやり直しという脱出不可構造にほとほと絶望する。

まとめ:ゲーム文法非常識連発

やっぱりシュール感が強くて(特にゲーム構造による能動的な体験だとシュールっぷりが直撃するというか、年齢的に若かったこともあり)ある種トラウマなんだけど、いろいろ想定外なところが面白いんだよなあ。まあバギーなものに対する耐性によってインパクトが違ってくるだろうけど。

  • マップ一覧で欄外へと外れてしまう(かっちりとレールが引かれているレイアウト上で、え、そんなところに?感)
  • 司令部との通信が成り立ってない(物言わぬフォックスの絵だけは通常通りあるのが気持ち悪い)
  • 残機あってもムダです感(脱出できないという認識にトドメをさす。リセットボタンを押せというゲーム非常識を提示される)

というあたりがちゃんと演出として設計されてるのがいいなあ。ゲームの地獄感がステキ。

ぼくのなつやすみ』の8月32日バグなんかも、面白いんだけどそれは意図しないバグそのものであって、なにより「8月32日」というゲームに限らない日常文法が主題だからちょっと違うかも。

フジテレビの『放送禁止』のようなチープだけれどしっかりツボを抑えたホラー演出手法とか(動画の中で静止した顔写真アップなんかは自分にとって気持ち悪い)、『愛と勇気とかしわもち』におけるインターフェースを奪うことによるホラー感とか。そうした技術は、ビデオゲームのジャンルにおいても、プレイヤーに蓄積された当然の認識からちょっとズレたところにホラーを起こす手堅いメソッドがそろそろまとまった形で掘り起こせるんじゃないかという気がする。大掛かりな文脈手法ではなく、単なる絶叫おどかしでもなく、小粒の気の利いた文法トリック。