『Elebits』プレイ雑感、Wiiシューター意識感覚

年末年始からプレイし続けてるWiiは、当初はどこかしら斜に構えてしまう気持ちもあったけれど、やってみると今のところどのゲームも水準以上に好感が持てている。ハズレらしいハズレが無い。と、同時にXbox360もプレイしたけれど、こちらのほうはいまいち手応えを逃してしまったというか、自分的に享受に失敗してしまったという感触。これはなにより自分の家に一人用としてではなく事務所環境でプレイしてるという要因が大きく作用してる感じ。ハードとしてかなり住み分けが進んでるので一概に同じゲーム機とは捉えづらい。

特にWiiについてはゲームどうこうと従来的な要素で捉えるのが難しいと感じていて、一段上のエンターテインメント的な何かという範疇の認識スタンスなので、まあ今のところは何か決定付けるのはまだまだ保留していきたい感じ。

でもまあ『Elebits』についてはそうした中では一人用ゲームとしてわりとスタンダードな捉え方ができそうなタイトルだと感じてる。


Elebitsの要素を大雑把に言えば…

  • リモコン+ヌンチャクでコンソール機での本格的FPS
  • チビネジ探し
  • 塊魂

とりわけ、積み木感のあるオブジェクト世界とレベル突破型のデザインなので『塊魂』とイメージが被るところはあるけれど、基本がシューターってところでだいぶ性格が違ってくる感じかなあ。

  • 塊魂に対してElebits
    • ナムコに対してコナミ
    • ボーカル曲に対してインスト曲
    • 昼に対して夜
    • 三人称に対して一人称
    • カワイイに対してさみしい切ない
    • 和式オブジェクトに対して洋式オブジェクト

と、まああんまりそうやって比較するぞという気持ちで列挙するのもアレだし、各々の要素についても優劣をつけづらい(趣味の問題)けど、ただプレイ中の音楽に関してはどうにも相対的にナムコブランドの強さのほうを改めて思い知った感じがする。

Elebitsでは唯一のボーカル曲であるところのテーマソングがエンディングで流れるのだけれど、あーそうそうこういうゲーム的な音楽をゲームプレイに合わせて聞きながら音圧におされてアクションしたかったんだよなーって思った。

そしてまあボーカル物にするにしても、泣きゲー的な手順を踏まえた音圧のかけ方や、さらにミュージカル的なインフレした気持ちの乗せ方というあたりで独自の路線を強められるんじゃないかなあとかまあ漠然と、勝手にイメージしたりして。


いちおう試しにゲームプレイにテーマソングを乗せたビデオを作ってみた。(ステージの仕掛け的にネタバレになるかもしれないので観るときにはそのつもりで)

うーん…。あんまりプレイしてるビデオに見えないか。いかにも後付けで音楽乗せましたよ感が高くてプレイとの一体感がそんなに無いかも。まあ数面あるボスステージあたりはこういう演出でもメリハリがついて良いんじゃないかという感じもする。


あと最初から和洋コンパチでリリースできる作りだけど、ストーリー上の母親の若さは気になるところだった。


いまどきの日本のまんが表現ならこのくらいは十分に慣れてるし、これが若いお姉さんではなくあくまでお母さんであるところの差異もどこかしら感じられるわけだけど、こういうのが日本以外でリリースされるとわりと面食らうんじゃないかなあとか思ったりした。まあ少年が10歳くらいで母親が20代と考えれば別に不自然でもないのか。いやどうでもいいか。どうでもいい。


ゲームの出来自体についてはこれも最初は斜に構えてたけど、途中から調子が出てきて評判通りけっこう良作・佳作かなという印象に落ち着いた。屋内→街中→遊園地と舞台が変わって行くごとにだいぶ性質も変わってストイックなプレイからエンターテインメント分が高まるし、Wiiリモコンでのシュートに慣れるにつれて頭の中ではじわじわと良い認識に向かい続けてる。

自分のビデオを見返しながら、あー、あそこはもうちょい右にいけるなとか、この手順は省略できるなとか、マウスでの1ピクセル単位でのエイミング感覚に近いような画面のコントロール感が確かになりつつあって、そこから先の段階における意識と操作のさらなる一体感、詰め具合が心地良い。

でも慣れるまでに物凄く腕を痛めた。痛めたというか、壊した、と感じるくらいのレベルまでいった。


こういう感じで痛い。
ひじ先の空中ホールドと親指連打でなんかヤバいぐらいに酷使してるっぽい。そういえば親指連打というのはえらく久々だと思うので、フツーのファミコンでも今やったら痛めるかもしれない。あと画面に対して手のひら上にして水平に持とうとするからなんか異様にひねってる感じ。

手首のひねり防止のために、FPS用にはやはりこういう形の改造リモコンがほしい。アタッチメントできる銃の握りの部分だけでもあるといいなあ。

けど椅子の肘掛けにひじ先までは完全に固定して手首だけで動かすことを意識するとだいぶ楽になってきた。それでも咄嗟のときにはやはり大きく手が動いてしまうけれど。自分の意識する動きが実現できる最小限のゲーム入力はどういうジェスチャーなのかを理解しはじめるとどんどん手に馴染んでくる。新しいデバイスなので、今はまだ慣れの問題というのが大きい感じかな。



あとPC、Wii、その他コンソールでのエイムのイメージを描いてみた。

マウスの場合、手首で精密エイミング、腕先で視点振り向きと強弱のついた動きがしやすい。一瞬で180度振り向きも可能で、時間単位で頭の中に描ける視界が広く、背中まで意識できる。ただ、WASDキーによる移動がデジタルなので左アナログが当たり前のコンソールに対してだいぶ古臭くなってしまっているのはこのごろだいぶ弱みに感じる。

Wiiリモコンの場合、画面に対してかなりスポットが狭い、画面外に出てしまいやすい。ぶれる。腕先を使うのは難しく、手首のみでエイミングと視点操作するようなわりと狭い印象。

パッドの場合、指先の動きによる操作で角度レベルが他に比べるとだいぶ限定される。正直なところ、自分にはパッドで気持ちよくシューターをプレイできるイメージというのが未だ見えてなくて、『アーマードコア』でブレードを自在に使いこなしているくらいの層限定というか、そうでなければロックして自動照準というあたりに落とし込んで行くイメージがある。

自分がXbox360の享受に失敗してしまった意識も実際パッドを握ったときにイメージが湧かなかったからというのが強そう。作ってる人がどのへんを理想のパッドプレイとして落としどころにしてるのかいまいちデザインが見えないというか。見た目にはPCゲーに近いからそのくらいがゴールなのかと意識するけど、でもそれじゃ自分には絶対ムリっぽいし、できるひともいるだろうけど、それをやり込んでもあんまり気持ち良い感覚がイメージできないのが不思議というか。うーんそれもやっぱり慣れか。



Wiiリモコンについては実際Elebitsなんかはわりとハードプレイな感じだったので、たぶん非熟練者向けというよりも、やりこめる層にとってもさらに楽しいことができそう。FPSマリオとか。ボタン配置的にはAボタンがジャンプでBボタンがダッシュのイメージで。そうするとシュートはしないけど主観視点の重力アクション。それはジャンピングフラッシュか。あそこにダッシュが加わって主観で高速移動で跳躍落下踏み付けという新世代ゲームキッズの高機動バトルが展開されて現世代は1秒で蹂躙され吐くというくらいの。そりゃあんま面白くないか。