ワンダと巨象(『Wild Earth』PCデモ版プレイ雑感)
















『Wild Earth』[英](Digital Jesters)

 「Wild Earth」は,リアルに再現されたアフリカの大自然で,野生動物達の生態を観察し,写真撮影しようという異色のタイトルだ。

  • 最近3Dゲームのカメラコントロールがどうのという思考ばかりだったので、カメラ撮影ゲームやってみた。
  • んー思った以上にきついなあ。いや思ったとおり、か?
  • きついというのはどういうこと?
  • けっこう退屈、かな
  • なんで?
  • いろいろありそう。いろいろ言ってみよう。
  • 写真を撮る緊張感、手続きが足りない? このゲームではカメラを覗き込んで撮影、ではなくて常にカメラのファインダーを通した世界が表示されている。画面に出ているまんまの画像が保存される。
  • このへん右クリックホールドで覗き込み、左クリックでシャッターというスナイプ感が欲しかったかも。どうなんだろう。手続きを減らすことでライトな感じに狙ってるのかなあ。割り切ってるというか。
  • ただ元々ゲームの楽しみ方としてマニアックなジャンルだし、見た目はライトでもそんなにライトなゲーム感じゃない気はするから中途半端のようにも思えるかも。うーん。
  • まあ教育用ゲームなのか、という感じはした。そういう志向かな。
  • 象のフンや足跡など見つけると、学者さんコンビがいろいろセリフで動物の習性について解説入れるんだけど、これがムツゴロウさんだったらまさに教育用ソフトとしてハマるのかなと思った。いやダメそうだけど。
  • カメラ構える手続き無しにそのままキャプチャだとスクリーンショット撮るのと変わらんのよね。ゲームの機能としてある意味が無いというか。そのへん手続き感があると、あー撮ったなあ、獲得したなって、思える。かな? GTAだと通常時はTPSで、カメラを構えると覗き込んでFPSになって視界が変わるのが大きなポイントだったなあ。
  • 移動がだるい? 操作はFPSWASDで前後左右移動、CTRLでしゃがむ。ジャンプ、歩き/ダッシュ、伏せは無し。
  • 個人的に抱いている「FPS/TPSにおける徒歩移動は一番ヒエラルキーの低い手段(という認識が必要である)」という考えからすると、徒歩一辺倒で広大なフィールドを探索するのはきついなあ。じゃあジープに乗るか? っていうとそれはまたデザインがらみでどうとも言えないんだけど。
  • あとコンシューマーの左アナログに対してWASDはデジタルだから、歩行感としてあんまり良くないんだよな。まあこのへんは左アナログが一般化するまでは気にしたことがなかったけど、左アナログでそろりそろりと歩いたり猛然と走ったりをコントロールできるようになると、WASDの徒歩はずいぶんと退屈に感じてしまう。これが車などのマシン移動なら、押している時間の積み重ねで速度が決まるからまだマシなんだけど。徒歩はそうではないからデジタル不利感は否めない。
  • で。オブジェクトを前にして、それをどう撮るか。撮影ポイントを探すところが醍醐味となりそうなんだけど、あんまり高台に上ったりするようなうまみが無い感じ? いやまあ移動手段以前に、土地がほとんど平原なんだけど。
  • でもどうだろう。実際プレイしていると、象とかを前にして「あー、あっちから撮りたい」「こっちから撮りたい」という欲求が、コントロール的にわりと叶えられないという感じがあるかな。
  • このへん3D忍者ゲームの『天誅』が画期的だったのは鉤縄(フックショット)による移動に尽きるなあ。3D世界が2Dと違う3Dならではの一番の要素は、当たり前だけど高さの次元。でもそれを表そうにも通常の徒歩移動ではなかなか高さを遷移できない。階段やエレベーターなどの手続きを踏まなければならないし、それだけに行ける範囲、獲得できる視野が少ない。それを解決するひとつの手法が鉤縄移動であったわけで、それができる理由も「忍者だから」という実に腑に落ちるデザインだったと思う。逆に言えば、おおよそのゲームでは「忍者だから」とは言えないから、歩行に終始するデザインになる。なかなか屋根には登れない。そういうのは3次元視点としてもったいないなあと思ってしまう。
  • あーそれならまず『ジャンピングフラッシュ!』とかあったか。あれはそういう楽しみ感でプレイできてたかな。
  • 細かいけど「カメラを縦にして撮りたい」というのもあるなあ。縦は断定の構図、か。まあライトな作りに仕上げようという感が強いからそんなのはふさわしくないのかもしれないけど、数少ないカメラアクションゲームのひとつとして本格カメラ撮影感覚を期待・夢想してしまうのかも。まあ本格という以前に、やることは単に構図決めアクションだから、縦位置が使えるだけで2倍に可能性が増えるってのを求めてるんだけど。
  • やるんだったらピント合わせも欲しいねえ。できるのかな。でも出来ちゃえばステキだなあ、カメラ撮影エンジン。露出や絞りも?
  • それどんなインターフェースで実現するの? 下手するとカメラ型コントローラーになってしまう。考えよう。
  • まあそのへんは置いといて、あとは…。
  • 撮影テーマパークとしてのイベントスクリプト、誘導はきちんと丁寧。1周やって疲れちゃったけど、2周やったら意外と1周目以上に楽しめたかな。どこがシャッターチャンスなのか、狙いをつけて作戦立てて臨める。
  • 撮ったそばからjpg化してファイル保存するので、ゲーム上でフィルムの制限は無し。好きなだけ撮れる。PCならではで良いね。ゲーム内の積み重ね・成果がアウトプットとしてゲーム外に出るのも気持ちがいい。
  • 1周目は458枚/55分、7.2秒に1枚撮影。2周目は247枚/39分、9.5秒に1枚撮影。
  • というあたり、現実で撮ってるのと同じ感覚。まあもうちょっとシャッターチャンスを限定して撮ったほうがありがたみがあるだろうけど、僕個人的には機会の許す限りスナップするスタイルなので。それがゲーム上でも同じように実現できてるのは良く出来てるなあと思う。撮りたい光景、構図がいっぱい用意されている。
  • とはいえ、やっぱこんだけバカスカ撮っちゃうのはスナップ感覚なんだなあ。操作手続き的にも一眼レフのような重みのあるショットにできたらだいぶ違うゲームになりそう。
  • それじゃあ撮影失敗しちゃうじゃん。という向きには、時間巻き戻しアクションで?
  • あ、そうだ。ドラえもんの道具であったけど、撮った後の写真に対して時間軸を変更したり、視点を変えたりする、みたいなこともある程度バッファを取って記録しておけばできなくは無いんだろな。いやまあそれが面白いのか分からないけど。また別目的か。
  • あとまあカメラ撮影アクションがうまく確立すれば、シチュエーションのバリエーションでそれなりに展開できそうな気も。王道のサファリ以外に、ホラーの館、スプラッタとか。近づいて自分が殺されそうになるほど刺激的な画になりそう。あとエロ? エロか。街中でパンチラ撮り放題は強いだろうなあ。まあそのへんはもうDoAで実現してるのか。
  • イベントスクリプトじゃなくて、箱庭的に各オブジェクト(人物など)が(移動などの)アルゴリズムを持っててそれらが交わって動的なシチュエーションを作り上げるようになるのがプレイヤーとしては理想だなあ。予想できるシャッターチャンスと予想できないシャッターチャンスのバランス。まあそしたらもうSims的な箱庭作りこみになってしまうのかもしれないけど。あくまで撮影するためのゲームとして、上手い落としどころが生まれるとステキかもなあ。
  • 野球、サッカー運営シミュレーションで試合時にスポーツカメラマンになれるとか? 試合、ということで動的だし流れはあるし予測できないこともあるし監督として関与もできるし環境としては良さそう。地形はいまいちだけど。なにより自分の造ったチームの選手の活躍を収めるのはモチベーション高いよね。まあゲーム的にカメラのほうはあくまでオマケっぽいけど。そういう立ち位置もアリか?
  • あとオンラインゲームで他人のプレイを撮影かなあ。まあカメラマンという機能が無くてもFPSである以上は有志が記録係的なことは実際やってるし、んーいやなんというか、そのへんプロトコルを作ったりしてカメラマンとしてならどのゲームにでも入れるとか? やー、そんななあ。しかしネットワークが当たり前になった今、「異種のゲームとゲームをつなぐ」というのができるとステキそう、か? よく分からないな。その第一歩として視点の共有、カメラマンプロトコル
  • ↑あと、このゲームの機能としてフィールド探索終了後には撮った写真を記事にまとめて生成してくれる。ひとつのアウトプット。HTML形式を利用してるから、コストかけずに実現できているところが開発的に見習いたいし、プレイヤーとしても取り回しが利くので好感が持てる。とはいえ正直なところそんなに嬉しくないかも。英語だからか。テーマも硬派だし。逆に、見慣れた日本語の新聞・雑誌感の中では自分の写真は嬉しいかな。どうだろう。
  • 記事の中で見ても、意外と「自分が撮った」という実感が少ない。撮りまくってたせいか?
  • 下の4Gamerの記事と比べるとプレイによる違いっぷりが分かると思う。
  • あとはー、やっぱ『ポケモンスナップ』か? プレイしてないからちょっと気になる。どうなんだろう。